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特別対談.2 日本の大切な食文化としてもっと意識していくべき

食育の観点から、大豆を重要な食材ととらえる服部幸應氏。ヒットさせた「有機蒸し大豆シリーズ」を中心に、大豆食を啓蒙していきたい、だいずデイズ代表取締役の柳本勇治氏。
大豆の未来を熱く見つめる二人の対談が実現しました。

特別大豆対談 服部幸應・柳本勇治


以降、服部幸應=服部柳本勇治=柳本で表記。

国産大豆を使った大豆食品の定着化を

服部 : 御社の「蒸し大豆」をいただきましたが、これ、本当に美味しいですね。隣にある水煮大豆と、美味しさがぜんぜん違う。

柳本 : 水煮だと、ゆでたときに大豆の旨味や栄養が水に溶け出してしまいます。その点、蒸し大豆は蒸しているので旨味成分が流れ出るのを最小限に抑えられます。栄養も閉じ込められたままです。

服部 : こうやって食べ比べると、よくわかります。

特別大豆対談 服部幸應・柳本勇治

柳本 : 神戸の学校給食で大豆ご飯に使用する大豆を、水煮から蒸し大豆に変えてみたところ、それまで人気のなかった大豆ご飯が、人気メニューに選ばれたそうです。美味しい大豆でつくると、子供たちもしっかり食べてくれるようになります。

服部 : 子供たちには、大豆の本当の美味しさや魅力を知らせる必要があります。それはとてもいいきっかけになりましたね。

有機農業を応援 有機蒸し大豆シリーズ

服部 : 御社で製造する「蒸し大豆」の大豆は、原則として有機JAS認証を取得したものですね。

柳本 : お客様からの強いご要望があったので、商品化しました。でも原料調達が難しく、日本中を探し歩いて、やっと北海道で見つけました。

服部 : 何が違うのですか?

柳本 : 「トヨムスメ」という品種なのですが、大粒で糖度が高いのが特徴です。商品化に十分な量が確保できる美味しい有機大豆を見つけるのが、とても難しかった。

服部 : 日本はまだまだ有機農業に対する認識が低い。国ももっと普及や啓蒙に力を入れるべきです。

柳本 : 自分たちのつくる商品は、子供たちに胸をはって提供できるものでなければならないと思い、有機栽培豆シリーズをつくっていますが、有機農業を広めるためにはいい商品をたくさん生産し、できるだけ買いやすい価格で届けるようにしないといけません。特に子供たちに慣れ親しんでもらえれば、もっと消費は伸びる。我々は親会社も含め、慣行栽培と有機栽培の両方を見てきたので、有機農業の難しさがよくわかります。でも、同時に有機の素晴らしさも知ったので、有機蒸し大豆を中心に、有機蒸し豆シリーズの拡大を続けていきたいと考えています。

服部 : 食の安全のためにも、とても意味のあることです。

日本人に改めて大豆食文化を

特別大豆対談 服部幸應・柳本勇治

服部 : 日本人は大豆をさまざまな形に変えて食に取り入れている。ここまで変化する食材はほかにないと言ってもいい。大豆の可能性はもっと注目されるべきだし、日本の素晴らしい食文化として、もっと意識していくべきです。

柳本 : 逆に近頃では、欧米の方が大豆をよく食べるようになりました。醤油、豆乳、ベジミートなども人気です。日本人こそもっともっと大豆を食べないといけません。

服部 : 時代に合わせた大豆の食べ方を提案していかないと。そうしたことを、御社で何か取り組んでいますか?

柳本 : 蒸し大豆と水煮大豆の食べ比べ試食販売を全国で実施し、200万人以上の方に食べていただきました。また、大豆の料理教室も50回以上行いました。食べてもらう、知ってもらうことが重要だと、できる限りの啓蒙活動を行っています。

服部 : 節分とか歳時記に合わせた活動をする方法もあるのでは?

柳本 : 食育月間である6月の4日が「蒸し豆の日」と認定されました。これを機に蒸し大豆をたくさん流通することができました。でも、もっとみなさんに食べていただく機会を増やしながら、美味しい大豆を使った新しい大豆食文化をつくっていくことが、わたしたちの仕事だと考えています。

服部 : わたしも食文化に影響のある人たちに、大豆の素晴らしさを伝えていかないといけませんね。

柳本勇治 Yuji Yanamoto
株式会社だいずデイズ 代表取締役社長。株式会社マルヤナギ小倉屋のグループ会社として、2012年、蒸し大豆を中心とした大豆加工食品専門「株式会社だいずデイズ」の設立と同時に代表取締役社長に就任。
服部幸應 Yukio Hattori
学校法人服部学園理事長。服部栄養専門学校校長。医学博士。健康大使。日本食普及の親善大使。日本を代表する料理研究家の傍ら、近年は食育の必要性を広めるための活動に精力的に取り組んでいる。



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