「丸ごと」食べられる蒸し大豆で、毎日続けるメタボ対策


「丸ごと」食べられる蒸し大豆で、毎日続けるメタボ対策

蒸し大豆はLDLコレステロールを低下させる力も高い!

以前、「蒸し大豆」で糖質コントロール すぐできる!血糖値調整法 ソイファーストのすすめで、血糖値のコントロールに深く関わっている食物繊維を効果的に摂取するには、大豆を「丸ごと」食べるのがおすすめだというお話をしましたが、実はほかの機能成分についても、「丸ごと」大豆のほうが、より高い効果を発揮することが実験で明らかになってきています。

上のグラフは、メタボリックシンドロームである閉経後女性のグループに、食事のたんぱく質を「そのままの大豆」もしくは「大豆たんぱく質」に置き換えて摂って貰い、空腹時血糖とLDLコレステロールの値を測定した結果です。

まるごと大豆の方が大豆たんぱく質に比較して血糖値のみならず、LDL(悪玉)コレステロールについても、より低下させる結果となったことがわかります。(Am.J.Clin.Nutr.85:735(2007))

マウス実験で注目された“蒸し大豆”の脂質代謝力

また、同じ大豆を原料に使って調整した4種類の大豆食品(煎り大豆、大豆飲料、水煮大豆、蒸し大豆)をエサとしてラットに与え、調理加工方法が大豆の脂質代謝改善作用にどんな影響をおよぼすのかを調べた実験では、比較対照としてカゼインを与えられた群と比べると、どの加工食品も血清脂質濃度(図1)や肝臓の脂肪酸合成活性を低下させていることがわかりました。

さらに、糞便試料中の脂質代謝関連の指標については、食品間で有意な差を示すものが確認され、4つの加工食品の中では“蒸し大豆”の胆汁酸濃度がもっとも高い結果となりました(図2)。


ab異なる英文字を付けた数値間には統計的有意差があることを表す(n=7-8, p<0.05)。
* 胆汁酸とは、肝臓でコレステロールから合成されて消化管内に分泌されることで、食事脂肪の消化吸収を助ける物質である。
糞便中に胆汁酸の排出が増えると、体内でのコレステロールの代謝が上昇していることを示している。

このことから、調理加工が付与する食品の機能性の違いは、生体での脂質代謝や脂質量に与える影響としては比較的小さくても、消化吸収の段階では何らかの影響を与えている可能性が考えられます。
(第71回日本栄養・食糧学会大会:農研機構・食品研、マルヤナギ小倉屋(2017))

蒸すことで、おいしさも栄養も、そして健康づくりにうれしい機能性までも閉じ込めた「天然のマルチサプリ」である“蒸し大豆”を、もっともっと毎日の食卓に取り入れたいものですね。

蒸し豆(大豆)を取り入れた食卓


蒸し豆のチカラ