青江誠一郎先生コラム②日本人は穀物から食物繊維を摂っている


青江誠一郎先生(栄養学者・食物繊維)に聞く 意外と知らない「豆と食物繊維」の話

青江誠一郎(あおえせいいちろう) 栄養学者(食物繊維)。大妻女子大学家政学部教授。日本食物繊維学会副理事長。
青江 誠一郎(あおえ せいいちろう)
栄養学者(食物繊維)
大妻女子大学家政学部教授。日本食物繊維学会副理事長。食物繊維の機能性、消化管機能、メタボリックシンドロームなどを研究。2007年日本栄養改善学会学会賞受賞、2008年日本酪農科学会賞受賞、2010年日本食物繊維学会学会賞受賞。

穀物(米)からの食物繊維摂取が減っている

青江先生に聞く意外と知らない豆と食物繊維の話

食物繊維摂取量について、日本の惨憺たる現状を見ていきましょう。

日本人の食物繊維総摂取量は、1955年にはなんと20gを超えていました。
しかし2012年には14g、若い人にいたっては10g前後しか摂れていません。
現在、成人の食物繊維の目標摂取量が、男性で20g“以上”、女性で18g“以上”といわれていますが、現状とは随分差があるのです。

何故こうなってしまったのでしょうか。
実は原因のひとつとして、「主食を食べなくなった」ことが挙げられます。

1995年と2012年を比較し、一体何からの摂取量が減ったのかに注目すると、穀物からの食物繊維摂取の減少が目立ちます。
1955年には食物繊維摂取量全体の約5割が穀物からでした。しかし、2012年には2割程度になり、摂取量で見てみると約7g減っています。
その減った分を他の食品で補われているかというとそうではなく、食物繊維摂取量の総量も同じく減っているのです。

以前は穀物として、大麦、玄米、雑穀を食べており、そこから食物繊維が摂取できていました。
しかし、現代では炭水化物を摂らない人が増えてきました。それはつまり穀物摂取の機会の減少となり、食物繊維を摂らないことに繋がっているのです。
これらのことから、食物繊維の摂取量を増やすには「まず主食を摂りましょう」ということになります。

<日本人の食物繊維摂取量の変化>
日本人の食物繊維摂取量の変化をあらわした棒グラフ。穀物への寄与率は、1955年は44%だったのが2012年には21%まで減少。7g減っています。
池上幸江:日本食物繊維研究会誌,1:3-12(1997)を平成24年国民健康栄養調査を元に著者が改変したものを引用

日本人は米から食物繊維を摂っている

日本人は何から食物繊維を多く摂っているのでしょうか。
2013年の国民健康・栄養調査の結果によると、なんと1位は米です。ほとんど食物繊維が含まれていない食材(100gあたり0.1~0.5g)にも関わらず、わたしたちはそこから摂っているのです。
しかし、米を食べる量が減る傾向にあり、そのために食物繊維の摂取量も減っています。

1人が1日あたりに摂取する総食物繊維量のランキング上位の食品を見たところ、米が1.0g、その他緑黄色野菜1.0g、パン類(菓子パンを除く)0.8g、その他生果0.6g、にんじん・納豆・味噌・キャベツ・たまねぎ・大根が各0.5gと続きます。
目標摂取量の食物繊維を摂取するには、20品目以上の食材を摂ることを心がけたいですね。

<食物繊維摂取に寄与する食品>
食物繊維摂取に寄与する食品をあらわした表。
(データ:平成25年国民健康・栄養調査)

青江誠一郎(あおえせいいちろう) 栄養学者(食物繊維)。大妻女子大学家政学部教授。日本食物繊維学会副理事長。
青江 誠一郎(あおえ せいいちろう)
栄養学者(食物繊維)
大妻女子大学家政学部教授。日本食物繊維学会副理事長。食物繊維の機能性、消化管機能、メタボリックシンドロームなどを研究。2007年日本栄養改善学会学会賞受賞、2008年日本酪農科学会賞受賞、2010年日本食物繊維学会学会賞受賞。

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