育脳コラム②良い脳をつくる栄養素って何?


和食の献立

小山浩子(こやまひろこ) 料理家/管理栄養士/フードビジネスコーディネーター。
小山 浩子(こやま ひろこ)
料理家/管理栄養士/フードビジネスコーディネーター
大手食品メーカー勤務を経て2003年フリーに。 料理教室の講師やコーディネイト、メニュー開発、栄養コラム執筆、NHKをはじめ健康番組出演等幅広く活動。著作も多数あり、『目からウロコのおいしい減塩「乳和食」』(主婦の友社)で2014年グルマン世界料理本大賞イノベ―ティブ部門世界第2位を受賞。 健康と作りやすさに配慮したオリジナルレシピを多数考案。日本で唯一のミルク料理研究家でもあり、メディアで話題の乳和食の発案者でもある。

みなさん、脳って何でできていると思いますか。
体の60%は水でできていますが、脳は60%が脂肪で残りはたんぱく質からできているんです。

いい脳をつくるためには、そのもととなる脂肪とたんぱく質をとらなくてはなりません。
脂肪というと体によくないものの代名詞のようなイメージがありますが、脂肪には2種類、「不飽和脂肪酸」と「飽和脂肪酸」があります。

良い脳をつくる材料として適しているのが「不飽和脂肪酸」で青魚に含まれるDHA、EPAがその代表でアマ二油やエゴマ油、ナッツ類からも摂ることができます。
ラード等の飽和脂肪酸の過剰摂取や揚げ物に使ってから時間のたった油は脳の細胞や血管をかたく老化させるので注意しましょう。

たんぱく質の摂取については必須アミノ酸がバランス良く含まれている蒸し豆や卵、乳製品がおすすめです。

脳内の情報伝達のしくみ

では次に脳を動かすために必要な栄養素についてお話しましょう。

脳の重さは約1.3kgです。とても小さな臓器ですが体全体の20%ものエネルギーを消費します。
頭を使えばそれだけ、消費エネルギーも増えます。お腹がすき、甘いものが食べたくなります。
そして脳はとてもわがままです。脂肪は嫌、たんばく質も駄目と言って炭水化物(ブドウ糖)しかうけつけないのです。

だからと言って、脳のためにとごはんや麺類、パン等の炭水化物ばかりを大量に摂取すると、血糖値が急激に上昇し、インシュリンが分泌され1~2時間後には低血糖状態に陥り、集中力が低下し眠気を誘うことに。
食べ合わせの工夫が大事です。主食と一緒に豆製品等のたんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルも一緒に摂れる食材も食べるようにしましょう。

おにぎり、ドーナツなど炭水化物

もうひとつ脳を働かせる栄養素として重要なのはカルシウムです。
カルシウムは脳内の情報伝達をスムーズにする働きがあります。乳製品や豆類、小魚に多く含まれます。IQをアップさせたり、認知症の予防には脳内の神経伝達物質を増やすことも重要です。
これには、蒸し豆や卵のレシチンが有効です。

今回紹介した脳を「つくる→動かす→働かす」の3ステップを意識した食事づくりが“育脳”のベースになります。

次回は実際に育脳を考えた食事づくりのヒントをご紹介させて頂きます。

小山浩子(こやまひろこ) 料理家/管理栄養士/フードビジネスコーディネーター。
小山 浩子(こやま ひろこ)
料理家/管理栄養士/フードビジネスコーディネーター
大手食品メーカー勤務を経て2003年フリーに。 料理教室の講師やコーディネイト、メニュー開発、栄養コラム執筆、NHKをはじめ健康番組出演等幅広く活動。著作も多数あり、『目からウロコのおいしい減塩「乳和食」』(主婦の友社)で2014年グルマン世界料理本大賞イノベ―ティブ部門世界第2位を受賞。 健康と作りやすさに配慮したオリジナルレシピを多数考案。日本で唯一のミルク料理研究家でもあり、メディアで話題の乳和食の発案者でもある。

蒸し豆のチカラ