蒸し大豆で免疫アップ&長生きホルモンを増やす
免疫細胞の7割は腸内にあり!
食べたものの栄養素を体内へ吸収し、病原菌はシャットアウトする、まさに健康のかなめとなるのが「腸」。
ヒトの腸内には、病原菌やウイルスを倒すための免疫細胞がたくさん集まっています。
体の中の7割の免疫細胞は腸内にあるとも言われています。
つまり、元気な体の基礎を作るには、腸内環境をよくすることが大事。
それでは、腸のためには普段の生活で何に気をつけるべきなのでしょうか?
決め手は現代人に不足する「食物繊維」!
人間の体では消化吸収することができないことから、昔は「食べ物の残りカス」と言われていた食物繊維。
その食物繊維が、腸内環境を整えるのに重要な栄養素として近年、注目されています!
しかし残念なことに、全国的に食物繊維の摂取量は年々減少。
実は、国で定められている目標値に全然足りていないのが現状です。
そこで注目なのが「蒸し大豆」。
大豆には、ごぼうにも負けない豊富な食物繊維が含まれています。
※豆乳や豆腐は作る過程で食物繊維たっぷりの「おから」を取り除いているので、
食物繊維を摂りたいときには向いていません。
オリゴ糖で善玉菌を元気に
さらに、大豆には「大豆オリゴ糖」も含まれています。
オリゴ糖は、腸まで届いて善玉菌のエサになってくれる、腸内改善に大事な成分。
大豆をどう調理するかによって摂れる量が違うので、
何がどれくらいオリゴ糖を含んでいるのかあらかじめ知っておくことが大切です。
蒸し大豆 | 1.42g |
---|---|
水煮大豆 | 0.79g |
豆腐 | 0.42g |
豆乳 | 0.50g |
納豆 | 0g |
(日本食品分析センター調べ)
「いつのまにか栄養失調」にならないコツ
私はきっちり3食食べているから大丈夫、という方にも知っていただきたいのが「いつのまにか栄養失調」。
野菜中心の食生活を行っていると、気づかないうちにたんぱく質不足になり、
食べているのに栄養失調に陥ってしまうことがあるんです。
特に、肉や魚を減らしている方や、高齢になり食が細くなってきた方は要注意!
体が必要とするたんぱく質の量は、20代も70代も同じ。
年齢を重ねたから肉を減らすのではなく、
たんぱく質をしっかりとりながら、糖質や脂質を減らすのが大事です。
たんぱく質が不足すると
たんぱく質は骨や筋肉、血液の材料となるだけでなく、
免疫細胞やホルモンを作り出す材料にもなっています。
人が生きるために必要な様々なものを作り出すたんぱく質・・・、
不足すると骨や筋肉が弱るだけでなく、免疫が落ち、さまざまな病気に罹るリスクが高まります。
そんな方にも大豆はおススメ。
動物性のたんぱく質が脂っこくて食べにくい場合でも、大豆なら余分な脂質を摂りすぎません。
今の食生活にも自然に取り入れやすいので、無理なく食べられます。
大豆がご長寿食材といわれるワケ
大豆イソフラボンや大豆レシチン、大豆サポニンは免疫細胞を活性化し、免疫バランスを良い方向へと導きます。
体内で炎症がおこった場合も、炎症物質が分泌されるのを抑制します。
大豆サポニンには、長生きホルモンである「アディポネクチン」の分泌を促進する働きがあります。
アディポネクチンとは内臓脂肪脂から分泌される物質で、痩せている人や太っている人の内臓脂肪からは
分泌が低くなってしまう気まぐれなホルモン。
「ご長寿ホルモン」と言われるのは、100歳以上の人の血中アディポネクチンの濃度は高く、
脂肪の燃焼を促進したり、血管修復や血管拡張作用があり、
動脈硬化などのメタボリックシンドロームになるのを予防する効果が期待されているからです。
大豆には抗ストレス作用があるとされるGABAも含まれているので、
ストレスと戦う現代人にもピッタリのご長寿食材なのです。
大豆を食べるなら「蒸し大豆」
大豆には、「食物繊維」「オリゴ糖」「たんぱく質」・・・
腸と免疫に良い栄養がたくさん含まれていることがわかりました。
そして、これらの栄養素を効率的に摂れるのが「蒸し大豆」です。
豆腐や豆乳は食物繊維(おから)を取り除いていますし、
水煮大豆はお湯のなかでやわらかくなるまで長時間煮ることで、
大豆の栄養素が水の中に流れ出してしまいます。
蒸し大豆なら、調理方法による栄養素の損失が最小限に抑えられます。
匂いもなく、市販品は常温保存できるので、いつでも食べることができます。
ふっくらやわらかく、自然の甘みが残っているので、料理のジャンルを問わず使えるのもうれしいですね。
参考論文
■腸内における食物繊維の存在は酪酸酸性につながり、炎症の抑制へ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nisshoshi/112/11/112_1939/_pdf/-char/ja
■不溶性食物繊維は、腸のバリア機能アップに有効
https://academic.oup.com/ps/article/88/9/1906/1537808
■大豆レシチンの抗炎症作用
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspaci1987/18/5/18_5_560/_pdf/-char/ja
■大豆イソフラボン、大豆サポニン 炎症マーカーIL-8分泌抑制
http://www.fujifoundation.or.jp/report/pdf/028/28_25.pdf